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世界自殺予防デー省察:人間関係の不確定性と自己肯定感の構築

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世界自殺予防デー省察:人間関係の不確定性と自己肯定感の構築

本日、世界自殺予防デーを迎えるにあたり、私はこの深刻な社会問題と、それに深く関わる人間関係の複雑性、そして自己肯定感の重要性について省察する。

自殺という痛ましい行為は、個人の苦悩の極致であり、社会全体の病巣を露呈する。WHOの統計によれば、年間約80万人が自殺によって命を絶ち、これは1分間に1人以上が自らの人生に終止符を打つという慄然たる事実を突きつける。この記念日が制定された背景には、こうした悲劇を未然に防ぎ、生命の尊厳を守りたいという世界的な願いが込められている。しかし、この切実な願いがどれだけの人々に共有されているのか、私は一抹の疑念を抱かざるを得ない。多くの人々にとって、この記念日は単なる暦の上の一日に過ぎず、その背後にある深刻な問題に思いを馳せることなく、日常の雑事に埋没しているのではないだろうか。

一方で、NPO法人などを中心に、自殺予防のための献身的な活動が展開されている。彼らの利他的な行動は、賞賛に値する。しかし、私は彼らのような聖人君子とは異なり、人間関係におけるある種の諦観を抱いている。それは、「2割の人間には絶対に嫌われ、6割の人間は風聞や自身の成功・失敗に影響されて態度を変える。そして、残りの2割の人間だけが、どんな時も味方になってくれる」という法則である。

この法則に従えば、無条件の支持と信頼を寄せることができるのは、全人間関係のわずか2割に過ぎない。この2割の人々こそが、その人にとってかけがえのない存在であり、彼らとの強固な絆を構築することが、自己肯定感の向上と精神的な安定に不可欠である。

しかし、8割の人々の意見や評価から完全に自由になることは、生身の人間にとって至難の業である。人間は社会的存在であるがゆえに、他者からの承認を求める本能的な欲求を持つ。それゆえ、批判や中傷、孤独感に苛まれた時、人は容易に自己肯定感を喪失し、絶望の深淵へと転落してしまう。

だからこそ、私はこの「2割の人間」との関係を何よりも大切にすべきだと考える。彼らへの感謝の念を常に心に留め、互いの信頼関係を深める努力を惜しまないことにより、その人の自己肯定感を高め、幸福に至ることができると信じている。

世界自殺予防デーの今日、私は改めて「生」の意義を深く省察する。人生は苦難と試練の連続であるが、それでも生きる価値を見出し、希望の灯を絶やさぬことが重要である。そして、その希望を分かち合える仲間の存在こそが、我々を暗澹たる孤独から救い出し、生きる力を与えてくれるのではないだろうか。

追記

世界自殺予防デーは、国際自殺予防協会(IASP)とWHOの共同主催により、2003年に設立された。9月10日という日付は、自殺問題への意識を高め、予防活動を促進する象徴的な日として選ばれた。

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